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格差と階級の未来 を読みました

タイトル:格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方

著者:鈴木貴博

出版社:講談社+α新書

 

著者について

東京大学工学部卒でボストンコンサルティンググループ等を経て2003年に独立して過去20年にわたり大手人材企業のコンサルティングプルジェクトに従事、人口知能がもたらす「仕事消滅」の問題と関わるようになる。経済評論家としてメディアなど多方面活動している。と本には記載がありました。

 

全体の感想

非常に面白く読ませてもらいました。

一般の労働者がどうすればこれからの時代お金に困らないようになるか、という著者の提案はそこまでサプライズはありませんでしたが、第1章から論理的に説明されているので非常に納得できる提案でした。

要は労働者であるとともに投資家であれというものです。

どういうものに投資をするべきかということは本書を手にとって確認して欲しいです。

 

もう少し細かく記載していきます。

(印象に残った文章なども記載します。)

 

第1章では富の食物連鎖ということで資本家・経営者が労働者を搾取する構造について記載。

貨幣と金利が富の食物連鎖を支配する基本ルールになった。

 

第2章では現代社会の格差の構造について記載。

21世紀に入ってから格差の論点が正直で勤勉な人たちが報われなくなってきている。

これは資本主義の社会ではビジネスに成功した人が大儲けすることで経済発展するのは良いことであるが、何かがおかしいと感じながらルール上追求できない。

給与水準のグローバル化

この章は結構印象に残っている章です。

 

第3章では資本主義と搾取の仕組みについて書かれています。

サピエンス全史によると人類が世界の頂点に立てた理由は「虚構を信じる能力」があったからで、経済の世界はその能力があったために成立している。

たしかにお札は政府が保障した貨幣であることや株の信用取引など、まさにこれなのかなと思いました。

またストックオプションの発明による構造の変化についての説明についてもなるほど!と声に出てしまいました。

 

第4章では2009年にアマゾンに投資した人の例が説明されています。

 

第5章は第2次産業に従事する労働者人数現象についての説明です。

ミクロ、マクロ両方の視点からその理由について説明されているのですが、これも非常に納得できるものでした。ペティ・クラークの法則は初めて聞きました。まだまだ勉強不足です。

 

第6章は新下流層拡大へ向かう世界ということで超富裕層の悩みについて書かれています。

人工知能の発展により、インドで大量に出現した中流層が新下流層へ移行する可能性があると。

 

第7章は21世紀の投資理論の説明です。

ここで具体的にどうすれば良いかの提言がなされます。

ベーシック・インカムの導入についても著者の意見が書かれております。

 

第8章(最終章)お金の新しい基本法

富がとうしかに集中していくお金の流れが本質で途中で起きる経済危機は一時的な揺らぎに過ぎない。

 

個人的に興味のある分野の本だったので、非常に楽しく読めました。

そこまで難しいことが書いているわけでもないですが、非常に勉強になりました。