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スマホを落としただけなのに

今更ながら小説「スマホを落としただけなのに」を読みました。

作者は志駕晃 氏

宝島社より発売です。

 

2018年に北川景子さん主演で映画化されたので知っている方も結構多いかもしれません。

 

主人公である稲葉麻美の彼氏である富田君が酔っ払ってスマホを落としてしまい、それが悪い人に拾われてしまったことからは物語は始まります。

 

ここからは少しネタバレを含みますので、興味のない方はご注意ください。

ですが、小説の細かな内容については他に詳しく書いているサイト等があると思いますので、ここでは本当に個人的な感想を中心に書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

[全体的に]

スマホを落としたところからよくここまで話を広げられるなというところが正直な感想。

途中までは麻美にどうやって近づいて行くのかな、そして襲ったりするのかなと思いながら読み進めていたのですが、最後に軽くどんでん返し的な感じでした。

(個人的には最後のどんでん返しはそこまでサプライズではなかったですが。)

本当に悪意と技術のある人間がスマホを拾うとこうも個人情報が筒抜けになってしまうのかというある種の恐怖と自分も気をつけないとというのは非常に思いました。

休日に読んだのもありますが、1日で読み終わりました。

セキュリティに対する意識も高まりますし、万人におススメの小説です。

 

[話の流れ]

以下の3人の視点から物語は進みます。

麻美:スマホをなくしてしまった彼氏、Facebookへの投稿やFacebook上でのやりとりや友人との会話を中心に描かれます。

犯人:どうやってスマホのパスワードを知ったり、Facebookで友人になりすますなどクラッカーとしての行動が描かれている。

警察:山奥で白骨死体が見つかり、その事件を追う。黒髪のキレイな女性ばかりを狙った犯行であるという共通点が分かり、そして麻美も黒髪がキレイな女性。。。

 

[調べたこと]

IT関係の用語や知らない単語がいくつかあったので、せっかくですし調べてみました。

(聞いたことはあるが、意味の理解が不十分なものも含む。)

アスペルガー症候群:広い意味で自閉症の一つのタイプ。

特定の分野の知的能力が高い例が見られる。しかし、相手の表情が読み取れない、人に関心をもって近寄るけれども、距離の取り方や話しかけ方が不自然だったりする傾向がある。会話で冗談や比喩・皮肉がわからないとも。

 

ソーシャルエンジニアリング:人間の心理的な隙や行動のミスにつけ込んで個人が持つ秘密情報を入手する方法のこと。

作中では犯人が麻美のFacebookのパスワードを入手するために嘘の警告文章のようなものを作ってそこに入力されたパスワードを盗むというような場面がありました。

 

ランサムウェアマルウェアの一種。これに感染したPCは利用者のシステムへのアクセスを制限され、この制限を解除するためにはマルウェアの作者に身代金を支払うよう要求される。

作中では麻美やその彼氏のPCが感染され、知り合いの部下に解除してもらう場面がありました。

(この知り合いというのが犯人がFacebookでなりすましていたのですが。。。)

 

[印象に残った文章や表現(そのままではないです)]

Facebookで成りすましで友人申請している犯人のパートより

男性に対して女性のふりをして友人申請・・・見た目が良ければすぐに承認される。

女性に対して男性のふりをして友人申請・・・勤務先や出身大学が重要。イケメンの写真でも簡単に承認されるわけではない。

 

○麻美がFacebook上で少しストーカー気味なメッセージを送られていて、その場面での麻美の感想

恋愛は感情のぶつかり合いだ。相手が好きだというエネルギーがあればあるほど、それを拒絶すればそのエネルギーは違う形で暴走する。

 

残念ながら映画は見逃してしまいましたが、小説は非常に面白いと個人的には思いました。